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活動概要

今日、「発展途上国問題」や「国際協力」といった言葉が、私たちにとって非常に身近なものになってきています。けれども、これらについて深く考えている学生が、経済先進国である日本にどれだけ存在するでしょうか。現代社会において、未来を背負って立つ学生が世界における日本をさらに意識することが求められています。

そもそも「先進国」や「発展途上国」という言葉は、経済的側面で定義されているに過ぎません。私達は日常においても物事に枠をつけて考えがちです。確かに、抽象的なイメージを言語でくくることで具象化され、それは情報伝達や或いは自分自身を理解するために便利ではあります。しかし、無意識にとらわれた枠組みやそこから生じる先入観で物事を計ることは視野を狭くし、本来起こりうる多くの可能性を減じ、そして何よりも自分達の自由な行動を自ら制限することになります。国際協力も、大きく見れば国と国との関わり合いですが、国という概念に囚われ過ぎず、「先進国」や「発展途上国」という意味が形骸化している今だからこそ、「する側」と「される側」という縦の関係ではない「協力」という横の関係で互いに謙虚な姿勢を持って関わり合うことが、今後求められる理想的な「国際協力」の姿であると思います。

「共生」する上で日本人は、腹を割って話し合うことで理解しあい、協調するという「和」という概念を大切にするべきです。長屋社会や井戸端会議、家族団欒がいい例でしょう。結局のところ「国際協力」といっても、最小単位は個人単位の人間関係です。その個々の人間関係の「和」を家族、友人、地域、国、世界というように広げていこうとする意識を持つということが重要だと思われます。真の国際人になるためには、他文化を理解しようとする姿勢はもちろん、自文化を見つめ直す姿勢こそ持たなければなりません。日本人として国際協力に携わるとき、そこに「和」の精神を常に持っているべきでしょう。


今回、シンポジウムを開催するにあたり、人生の殆どを日本で過ごしてきた私たち学生には、現地での経験を基にした視点が欠けているため、国際協力を論じることは非常に難しいことです。そこで、様々な本や資料を読み、勉強会、学会、講演会への参加などを通して、国内で得られる知識をできる限り身につけます。そしてそれを踏まえた上で、実際に途上国にてフィールドワークを行います。具体的には、文化交流、医療水準(または医療システム)、教育、ボランティア、現地特有の感染症について、それぞれ明確な目的意識を持って行います。途上国へ赴くという私たちの最初の一歩は、小さな一歩ではありますが、このシンポジウムを通して経験を共有することは、国際社会に目を向ける学生を増やす可能性を秘めています。国際的な視野を持つ学生の増加は、国際協力のフィールドを活性化するのみならず、日本と途上国との「共生」の意識につながると信じています。

私たちは、医療系学生として「医療者でもなければ一般人でもない」という、学生ならではの立場を活かし、感じ、考え、発信する意義が必ずあるはずだと考えています。将来、医療者として国際協力にどのように携わることができるのかだけでなく、それを一般の人の目線から見直し、何か今すぐできることが無いかも考えていきたいとも思っています。「国」としてというより、同じ地球に生きる「同士」として、「途上国との理想的な関係とはどのような形であるのか」を一緒に考えていきましょう。

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